器官病態内科学講座 組織紹介
「循環器内科」「呼吸器内科」「消化器内科」「腎臓・内分泌内科学」の4内科学講座による先進研究を行なっております。
臨床・基礎研究、多方面での連携研究を推進し、セミナーや勉強会などの学術交流を行います。
組織のメリット
01.多方面での連携
異なる内科分野の講座が連携することで、より広範囲な研究テーマに取り組むことができます。
循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、腎臓・内分泌内科学の各講座が持つ専門知識と技術を融合させることで、複雑な疾患や病態の多角的な理解が深まり、新しい治療法の開発が期待されます。
例えば、心血管疾患と腎臓疾患の関連を明らかにする研究を進めることで、患者さんに対するより効果的な治療法が見つかる可能性があります。
02.機器のシェアリング
研究用機器を講座間でシェアすることで、効率的な研究活動が可能となります。各講座が高価な研究機器を共有することで、機器の利用率が向上し、資源の有効活用が図れます。例えば、高度なイメージング装置やマルチオミクス解析装置などの先進的な機器を共同で使用することで、研究コストの削減と研究効率の向上が期待できます。
このシェアリングの仕組みにより、各講座は自分たちの専門分野以外の新しい技術や手法を学ぶ機会を得ることができ、研究の幅が広がります。また、機器の保守管理や運用においても協力することで、より安定した運用が可能となり、研究の質を高めることができます。
具体的な研究内容
臨床研究
最先端の臨床研究を行い、患者さんの治療法の改善に貢献しています。
データベースの統合
各講座が保有する疾患別・検査種別データベースを統合し、電子カルテデータとの紐付けを行います。これにより、患者の診療情報を一元的に管理することができ、各内科の垣根を越えた詳細なデータ解析が可能となります。統合されたデータベースを活用することで、疾患の予後予測や治療効果の評価をより正確に行うことができ、個別化医療の実現に大きく貢献します。
臓器横断的な疾患・病態の理解
Onco-nephrologyやOnco-cardiologyなど、臓器横断的な疾患・病態の臨床像を統合的に理解します。これにより、複数の臓器に影響を与える疾患のメカニズムを解明し、複合的な治療戦略を開発することが可能となります。例えば、がん治療中の患者における腎臓や心臓への影響を詳細に調査し、より安全かつ効果的な治療法を提案します。これにより、治療中の合併症リスクを減少させ、患者のQOL(生活の質)を向上させることが期待されます。
臨床生体サンプルの共同利用
臨床生体サンプルの共同利用とバイオバンクの活用を進めています。これにより、貴重な生体サンプルを複数の研究プロジェクトで共有し、研究の効率と成果を最大化することができます。バイオバンクには、血液や組織などの生体サンプルが保管されており、これらを用いた研究により、疾患の病態解明や新しいバイオマーカーの発見が促進されます。さらに、生体サンプルを利用した臨床研究は、新薬開発や治療法の確立に直結し、患者さんへの直接的な利益となります。
基礎研究
基礎研究においても、各内科講座の専門知識を活かし、新しい発見を目指しています。
この取り組みは、疾患の根本的なメカニズムを解明し、将来的な臨床応用に向けた重要な基盤を提供します。
多臓器連関の機序解析
臓器横断的な疾患・病態における多臓器連関の機序を解析します。特に、異なる臓器がどのように相互作用して病態を形成するかを詳細に調べます。例えば、心不全が腎機能に及ぼす影響や、慢性腎臓病が心血管疾患のリスクをどのように高めるかといった多臓器間の関係を解明します。このような研究により、複雑な疾患の全体像を把握し、包括的な治療法の開発に繋げることができます。
マルチオミクス解析
多臓器組織のイメージングとマルチオミクス解析を行います。マルチオミクス解析とは、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなど複数のオミクスデータを統合して解析する手法です。これにより、細胞や組織の詳細な分子プロファイルを作成し、疾患の発症メカニズムや進行過程を包括的に理解することができます。